快眠のための行動(昼)
昼間の行動が夜の睡眠に関係してくるのは
「睡魔」という言葉があります。ビジネスパーソン、学生さん、そして主婦の方からも睡魔を除去したいという詰もよく伺います。睡眠は、体を回復し、脳を成長させる最高の活動なのに、なぜ「魔」なのだろう? と言われます。
日常で、睡魔という言葉を使われる場面を見てみます。すると、居眠り作業で重大な事故になってしまったときとか、人が話しているときに失礼なのに眠ってしまったときなど、睡眠自体が「魔」なのではなく、睡眠という行為が場面に対して不適切き」とがあるので、その不適切さを差して「睡魔」という言葉が使われているようです。
つまり、行為と場面のミスマッチさえなければ、その睡眠は「魔」ではなくなります。
では、なぜ不適切な場面で眠ってしまうのかというと、先にとっておくべき睡眠 をとっていなかったことが原因です。私たちは、眠気を押さえ込もうと考えますが、 生理現象を押さえ込めば、確実に弊害が起こります。そして、その弊害は、本人に 気づかない形で起こります。
たとえば、こちらの研究を見てみましょう。
私たちの睡眠と生産性の関係をグラフに示してみると一目瞭然です。
画面に出る刺激にできるだけ早く反応するという課題を、それぞれ徹夜、4時間睡眠、6時間睡眠、8時間睡眠の群に分けて14日間実施して、その結果を比較しています。
日数が経過するごとに、徹夜群はどんどん反応が遅くなっていき、他の群も睡眠時間が短いほど成績が悪くなっています。
大切なのはここからです。この被験者の方々に、テストと同じタイミングで眠気の強さを答えていただいた結果をグラフ化したものもあります。
徹夜群は、課題成績の低下と同じょうに日数を追うごとに眠気も高まっています。しかし、4時間以上睡眠をとっている群はというと、最初の1 週間は眠気が高まったのですが、1週間を過ぎると眠気の度合いは変わらなくなっています。
この結果から分かることは、私たちは、睡眠を削るほど、確実に認知機能が低下L圭すが、その認知機能の低下を知らせるサインである眠気には気づかなくなっていくということです。
つまり、本人は大丈夫だと思っていても、実際の生産性を客観的に評価Lてみると、恐ろLく低くなっていることがあるということです。
グラフは、きれいに生産性と眠気のギャップを示しているので、驚かれると思いますが、反面、納得するような感じもありませんか? 私たちは、特に眠気を自覚しなくても、作業がはかどらないでだらだら時間ばかりが過ぎてしまうことを、しばしば経験します。
眠気という生理現象で脳の働きを判断せずに、客観的に適切なタイミングで仮眠をとることで、実際の生産性を高めていくことが目標です。