快眠のための行動(昼)
その後眠ってしまうとだるくなる
仕事中に急激な眠気がきて、ギリギリまで粘った挙句に意識を失うように眠ってしまうと、目覚めたときは、頭が重く、ボーっととした感じで、体がだるくなることがあります。
午後の眠気は避けられないものですが、眠くなる前やちょっと眠気を感じた段階で自分から目を閉じたときと、ギリギリまで粘って結局寝てしまったときでは、目覚めた後の脳の覚醒は大きく異なります。同じ時間眠ったとしても、自分から先に目を閉じたときは、目覚めた後の爽快感が得られます。
眠気をギリギリまで我慢しているときは、脳の中はどのようになっているのでしょうか。脳には、覚醒を司る(目覚めさせる)神経と睡眠を司る(眠らせる) 神経があります。覚醒を司る神経は大脳に位置し、睡眠を司る神経は、生命を維持する機能を担う脳幹に位置しています。
脳幹の眠らせる神経が活動すると、目覚めさせる神経の活動が抑制され、その結果、私たちは眠ります。
しかし、大脳の目覚めさせる神経が活発になっているときは、眠らせる神経がいくら働いてもなかなか抑制できません。双方の神経活動が均衡L、エネルギーを大幅に消費するので疲弊します。これが眠気をギリギリまで我慢している状態です。
一方、自ら先に目を閉じてしまえば、目覚めさせる神経は、眠らせる神経に速やかに抑制され、覚醒と睡眠がスムーズに切り替わり、無駄にエネルギーを消費することがありません。
さて、目覚めた後に、ぼーっとしてしまうことを「睡眠慣性」と言います。これを防ぐことができれば、目を閉じた後のハイパフォーマンスが期待できます。
私たちには、この睡眠慣性を防ぐシステムがもともと備わっています。使い方は、目を閉じる前に目覚める時間を唱えるだけです。これは「自己覚醒法」と呼ばれる方法で、実際に頭の中で目覚める時間を唱えたときは、目覚める数分前に心拍数が上がり、体が目覚める準備をすることが明らかになっています。