アロエベラの抗菌作用

擦り傷、切り傷なに抗菌作用

抗炎症作用も明かにされている

アロエベラの抗炎症作用に関する臨床研究が幅広く行われている

歯肉の炎症に対する、アロエベラの抗炎症作用

アロエベラには抗炎症作用のあることも明らかにされています。ケガや火傷などで細胞に炎症が起きると、その患部にブラジギニンなどの発痛物質が発生します。それが知覚神経を刺激し、信号が脳にまで伝わって傷みを感じるようになっています。

このとき、ブラジギニンが過剰に発生すると、痛みがひどくなったり、高熱が出たりして、ほかの組織にまで障害を及ぼすこともあります。これに対してアロエベラを投与すると、過剰に発生したブラジギニンを分解し、痛みや炎症を抑えるように作用してくれるのです。

こうしたアロエベラの抗炎症作用に関する臨床研究が幅広く行なわれていますが、そのなかには歯科の分野で行なわれた興味深い研究成果も報告されています。

1966年、歯科医のボビックは、歯肉の炎症に対する、アロエベラの抗炎症作用の効果について明らかにしました。

患者のグループを2つに分けて、まず、どちらにも、歯肉の上部を切除する手術を行ない、それから、一方のグループでは通常の治療のとおり、歯肉と歯根の間にある歯根膜をおおう方法で処置し、もう一方のグループではアロエベラのゲル質でつくつたジュースで処置しました。その結果、アロエベラのゲル質のジュースで処置したグループのほうが、回復のスピードの速いことが認められたのです。

同じく歯科医のパインは、5人の患者に対して、歯根膜の手術後、切除した部分の痛みや炎症に村する、アロエベラの効果について調べました。この調査では、手術する部分を4つに分けて、その1ヶ所にだけ、アロエベラのゲル質のエキスを塗りました。このとき、患者には、どの部分に塗ったかは知らせずに行なわれました。

その結果、5人の患者のうち4四人は、アロエベラゲルエキスを塗った部分で、痛みと炎症が抑えられていることがわかりました。

いずれの臨床研究でも、痛みや炎症が抑えられているのは、アロエベラが痛みや炎症を起こす物質の産生を抑制するのに効果を示しているためと考えられます。なお、アロエベラのゲル質には刺激成分は含まれないので、患部に直接、使用することもできます。

たとえば女性の膣炎などを治療するときは、まずゲル質の汁を1対1の割合で水で薄めてから患部を洗い、次にガーゼに汁を浸透させて患部に挿入します。また口内炎や咽喉炎、扁桃腺などでは内服するとともに、ゼリー部分を口の中にふくんでいると、軽傷では1~4日、慢性でも1~2ヶ月続けているとほとんど治癒します。

アロエベラには、かゆみを抑える消炎作用もあります。湿疹や乾燥肌など、全身的に肌にトラブルのある人の場合はとくに、アロエ風呂をおすすめします。

自家製アロエ入浴剤のつくり方は、アロエベラの生葉をよく洗って、トゲを取り除き、細かく切ってから、ガーゼなどの袋に入れて、お風呂に入れます。そして、入浴中、アロエベラの有効成分が十分に湯に溶け出るように、よくもむようにするといいでしょう。

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